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高校の恩師Blog

アンさん
2022/02/08
先日、わたしの(アンさんです)高校時代の先生にお会いしてきました。

わたしは都立工業高校の建築科卒なのですが、その3年間ずっと建築の
専門課程を教えてくれていた先生です。
当時の印象は、授業は真剣に熱く、時には厳しくもあった先生でしたが、
その厳しさも心地よく感じられていた先生でした。

なぜかというと、その厳しさは純粋に建築という職業の厳しさを、
今、高校の君らにしっかり伝えなければならないという、今後のわれわれを
思っての厳しさなんだろうなと、高校生のわたしたちが感じられるような
厳しさだったからだと思います。そして公平な先生でした。

あるとき、わたしが書いたドラフターでの手書き図面を提出したら、
お前の図面は本来3万円もらえるべき図面だが、これでは1万5000円しか
もらえないぞ、と言われ、え、この図面で1万5000円ももらえるんだと、
ポジティブに考えてしまっていた自分を思い出します。

そんな先生に卒業後一度もお会いしていませんでした。
会えなかったといったほうが正しいでしょう。
こんな今の自分はまだ会ってもらえる資格が無いように感じていたからです。

でもひょんなことから、高校時代の同級生とたまに仕事を一緒にするのですが、
その彼から、その先生に会う機会が作れそうだという話を聞いたとき、
あ、今ならお会いできるかも、と、何か流れを感じたのです。

それで、わたしと同級生3人とで先生と会う機会を設けさせていただきました。

高校があったのが新宿だったので、新宿南口で先生と待ち合わせをしましたが、
改札口には人がいっぱいでしたので、すぐに見つからずに探していたら、
あの懐かしい、姿が目に入り、走り寄りました。
当時と変わらない人としての強さをしっかり感じさせながら握手をさせて
もらい、ごあいさつをしました。

一緒に店まで歩く間、どうだ、元気にやっているか、仕事は順調か、と聞かれ、
何とか食べていっております。と答えると、何とか食べていけているなら、
それはすごいことだ、今はみな苦労している時代だからな、感謝しないとな、
と、先生の現実をしっかり知っておられるが故の、高望みするな、
今の原状で感謝して生きるんだぞという先生の気遣いを感じさせられました。

建築への情熱が薄れることがあるんですが・・・、と質問してみると、
それはある!とはっきりシンプルに答えてもらっただけで、
なにかこう、あ、そうか、みんなあるんだと、安心させられました。

今でも多くの本を執筆されているそうで、そんな忙しいさなかでも、
僕たちのために時間を割いてくれた先生に同級生一同ホントに感謝しました。

人生の先輩でもあり、建築の先生でもあり、そんな先生に高校卒業後、
20年後にして初めて会うという、日本的に考えれば礼儀を欠く状況にして
しまっていたかもしれませんが、それでもお会いしたいと思い、
勇気を出して会わせていただいたことが、こんなに実り豊かであったことは
本当に大きな収穫でした。

後日先生から御礼の手紙を頂いたことは、またまた嬉しく、その内容も
身にしみました。見習わなければならない恩師であることは今でも
変わっておらず、学生の当時より、はっきりそのことが認識できた
一時でした。

まったくもって個人的な内容のブログでしたが、
最後まで読んでくださってありがとうございます。